高松盆栽技術研修「盆栽の匠」は、盆栽の技術の普及や後継者育成を目的に2020年1月にスタートしました。
香川県高松市の歴史ある盆栽の産地で、盆栽の職人から直接技術を学ぶことができる研修プログラムです。
高松盆栽の特徴である松柏類(黒松、錦松、真柏、五葉松など)を素材に、基本的な盆栽の手入れと研修生のレベルにあわせた柔軟な研修を実施します。
盆栽愛好家の上級者、中級者はステップアップの場として、また職業として盆栽に携わる若手職人は研鑽の場として活用することができます。中・上級者だけでなく、盆栽を育てはじめた初心者も歓迎しています。
また、海外への盆栽の輸出増加とBONSAI人気の高まりにより、これまでも海外の愛好家や盆栽指導者が、香川県高松市の盆栽園に技術研修に来日することが度々ありました。
「盆栽の匠」は国内・海外の研修生が短期~長期にわたり滞在して盆栽技術が学べるように、宿泊施設を併設したことが特徴です。
盆栽は長い歴史のなかで少しずつ人々の暮らしから遠ざかり、一部の愛好家の趣味へと変化してきました。
高松盆栽技術研修が日本の文化である盆栽を改めて見直す場となり、幅広い世代に盆栽に興味を持ってもらえる機会につながることを願っています。
香川県高松市の鬼無・国分寺地区は日本最大の松盆栽の生産地です。
ここで育てられた盆栽は「高松盆栽」と呼ばれています。
高松盆栽の歴史は古く、江戸後期に山や島に自生する味わいのある松を鉢に植えて仕立てたことが始まりです。香川県高松の温暖で少雨な気候と水はけのよい土は松の生育に適し、高松の盆栽は「根腐れしにくく、傷まない」と市場で高い評価を受けてきました。
鬼無・国分寺地区には、接ぎ木を行う生産者から盆栽を芸術にまで高める職人まで、約60件の盆栽園があります。盆栽はこの地区の暮らしに根づき、今も住宅地と盆栽畑が共存する、のどかな風景が広がっています。
高松盆栽の地区では盆栽に関するイベントが開催されています。
鬼無・国分寺地区の50軒の盆栽園が出展する盆栽の展示・販売施設。10,000点以上の松柏類や雑木が集まっています。
鬼無・国分寺地区では見学を受け入れている盆栽が数多くあります。
また、気に入った盆栽があれば購入も可能です。
高松盆栽技術研修を主催する平松春松園は、明治時代に創業した盆栽園で現在は4代目の平松浩二が園主を務めています。盆栽園には黒松や真柏(シンパク)、五葉松など松柏類を中心に、数多くの盆栽が揃っています。
平松春松園は、小品盆栽といわれる20cmほどの盆栽から大品盆栽までの手入れを行う、日本でも有数の盆栽園です。また、平松浩二は世界盆栽大会で実行委員会からオファーを受け、ステージでのデモンストレーションを行うなど、その技術の高さは海外でも知られています。